冷たい影が傍まで迫っていることを知らなかった。
だから守ってあげることも出来なかったし、
寧ろ守る対象である事も知らなかった。
気付いた時には手遅れ。
暖かなものだと思っていたのに。
簡単に冷たくなることが出来るのだと知った。
だけど、冷たくなってしまったと思っていたものも、
温もりを失った事に涙していたことも知ってる。
それに気付かない、小さな花はただただ涙を流していた。
自分はそれに、水をあげて、語りかけて、
傍にいてあげることしか出来ない。
それでいいのか、悪いのかはわからないけど、
自分の一生がそれで終わっても悔いは残らないし、
…逆に幸せである事に気付いてしまった。
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